ぜんそく診療ガイドライン作りでアラジーポットが参加と報道されました。
(2004年6月13日朝日新聞朝刊1面)
会員のみなさま サポーターのみなさま

厚生労働省のぜんそく研究班による、ぜんそく患者のための「診療ガイドライン(指針)」をアラジーポットが一からかかわってまとめた事が、6月13日(日曜日)の朝日新聞朝刊1面で報道されましたのでご案内いたします。

「患者のための診療ガイドライン作り」は、当会「発信の場」活動の2大事業のひとつです。まだ、まだ、充分ではありませんが、患者団体が実質的に制作にかかわったのは初めてのことと、高く評価されています。出来上がる診療ガイドラインには、作成委員として、当会の栗山真理子幹事と米田富士子幹事が「アレルギー児を支える全国ネットアラジーポット幹事」の立場でも掲載されます。また、新聞紙上で「改定されたぜんそく診療ガイドラインから」と紹介されたイラストの入った図表は、入園入学マニュアルやホームページのイラストを描いて下さっている米田富士子幹事によるものです。
記事を下記に記載します。

 ぜんそく患者のための「診療ガイドライン(指針)」を、患者団体が一からかかわって、まとめた。厚生労働省のぜんそくの研究班(班長・宮本昭正東京大学名誉教授)による指針作りの一環で、患者の視点から、患者にとって必要な情報を考え、治療に主役が主体的にかかわることを目指した。様々な病気で科学的根拠に基づく指針作りが進み、患者向け指針もあるが、従来は医師中心で作ってきた。

 参加したのは、アレルギー児を支える全国ネット「アラジーポット」幹事の栗山真理子さんら。ぜんそくの研究班が指針を改定するにあたり、診療指針の作成や利用、普及について検討している厚労省研究班長の中山健夫・京都大助教授(健康情報学)が橋渡し役となって、参加が実現した。

 ぜんそくに関しては、かねて医療者向けと患者向けの2種類の指針があった。だが、患者向け指針は実質4ページほど。図表が2枚あるだけで、残りは難しい医学用語で埋め尽くされていた。

 栗山さんら今回加わった患者代表は、イラストや表を多用して、症状の見分け方や薬物療法などを、20ページほどの冊子にまとめた。重症度をひと目で分かるマークにし、発作の重さごとに症状や家ですること、病院受診の緊急度などを図解した=図。これをたたき台に医師側と協議を重ね、約2ヵ月かけて完成させた。

 栗山さんは「これが完全とは言えないが、患者の視点を入れて作ったことは第一歩。発作が起きた時にどうすればよいかなど、病気の知識がない人でも分かるように工夫した」と話す。

 今回の指針の対象となる大人のぜんそく患者は300万人とも推計される。

 班長の宮本さんは「医師だけで作ったら、このように分かりやすくはできなかったと思う。指針は、患者の役に立たなければ意味がない。自分の受けている治療が正しいかを、医師と話し合えるぐらいになって欲しい」と話す。指針は今後、日本アレルギー協会などのホームページで公表するほか、講演会などで無料で配布する。

 厚労省は、病院や医師ごとにばらつきのある治療の標準化を目指すため、研究班による治療指針作りを99年度から系統的に始めた。03年度までに乳がんや糖尿病など20の病気で作られ、今年度は新たに3疾患で作る。

 指針は、財団法人・日本医療機能評価機構がウェブサイト(http://minds.jcqhc.or.jp/to/index.aspx)で順次公開する。

2004613日朝日新聞朝刊第1面より