小児気管支喘息

治療・管理ガイドライン 2002

ガイドラインが2002年11月1日に改訂されました。

お子さまに処方される薬が変わったとしたら、このようなバックグラウンドがあるかもしれないと考え、ガイドラインの「序」の言葉を引用して、今回の改訂点の主なものをお知らせ致します。

『従来の重症度分類を一新して、治療の組み立てに必要な重症度分類に変更した』

−重症度分類は、今までの7ステップから、4ステップに分類しなおされました。

このことにより、今までより薬のステップダウン、ステップアップの幅が大きくなり、「大きく変わった。」という印象を持たれるかもしれません。

『喘息の長期管理の主役ともなってきた吸入ステロイドの薬の位置づけと、それを中心とした他の薬剤の選択について、ガイドライン委員会ではもっとも議論が伯仲した。』

−吸入ステロイドが、小児の治療において、ステップ2からの第一選択肢になったことは、一番大きな改訂点といえるかもしれません。

吸入ステロイドは、大人の喘息ではかなり前から第一選択しといわれていますが、小児期からの導入については、議論が伯仲したというように、必ずしも早期に取り入れられる治療の選択肢として取り入れない先生もいる傍ら、欧米での死亡率の低下を主な効果として考え、積極的にとりいれられる場合も考えられると思います。

どちらにしてもこのガイドラインに沿った治療は、今までの治療とかなり違ってきますので、医療者は患者さんに十分説明をし、患者は医療者の説明に納得してから同意する姿勢が大切ではないでしょうか。少なくとも、先生に言われたから。という理由だけで選択をしないようにしていきたいと思います。

『その結果、重症度分類を含めて、長期管理の骨組みがよりGINAに近いものとなった。本ガイドラインでは長期管理を乳児、幼児、学童の3型に分けて、おのおのについて詳細な解説を加えた点では、GINAに較べて、より具体的にきめ細やかな表現となった。』