第15回日本アレルギー学会春季臨床大会から

(1) アレルギー性鼻炎とぜんそくは共に呼吸器の疾患であり、遺伝的背景が同一で両方共アレルギー性の気道炎症で治療面においても共通の特徴を有していることから、“One air―way,One disease”(同一気道の同一疾患)という捕らえ方が必要である。

荒川 浩一先生他(群馬大医学部他)

(2) フラクトオリゴ糖は、腸内細菌叢や有機酸を介して食物アレルギーに起因する小腸の傷害作用を予防・修復する効果があり、食物抗原による感作を防止する効果が期待される。

今井 孝成先生他(昭和大医学部)

(3) 小児ぜんそくの治療に於いては、DGCS(商品名:インタール)の吸入液を用いる早期治療が有効である。しかし、罹患期間2年以内に開始しないと効果が薄くなる。

小野 三佳先生他(独協医大他)

(4) 8週間のクロスオーバ試験の結果、小児ぜんそくの治療に於いてはブランルカスト(商品名:オノンドライシロップ)の長期投与の方がDSCG(商品名:インタール)の投与より優れているようである。

冨坂美奈子先生他(千葉大医学研究院他)

  以  上
山田惟忠